モンティホール問題を実際に体験しましょう!
「確率なんて直感でわかるよ」と思っているあなた。プロの数学者たちを大論争に巻き込んだ、恐ろしいパズルに挑戦してみませんか?
下のシミュレーターを使って、まずは自分の直感と勝負してみてください。
🧐 モンティ・ホール問題とは?
この問題は、1960年代からアメリカで放送されていた人気テレビ番組『Let’s Make a Deal』の中で実際に行われていたゲームに由来します。番組の司会者であったモンティ・ホールの名前からその名が付けられました。
番組でのルールはいたってシンプルです。 挑戦者の前には閉まった3つの扉があり、1つの後ろには豪華な新車が、残りの2つの後ろにはハズレのヤギがいます。挑戦者が1つの扉を選択した後、正解を知っている司会者のモンティが、残された扉のうちヤギがいる方を1つ開けて見せます。そこでモンティは挑戦者にこう問いかけるのです。
「残っているあちらの扉に、選択を変えますか?」
一見すると「残った2枚のどちらかだから確率は50:50(五分五分)じゃないの?」と思われがちですが、実は「変えたほうが当選確率が2倍になる」という数学的結論があります。
この結論があまりに直感に反するため、かつて世界一のIQを持つとされた女性マリリン・ヴォス・サヴァントが雑誌でこの回答を公開した際、多くの数学者から「あなたは間違っている!」と猛烈な批判が届き、社会的な大論争に発展しました。
🎮 ゲームの遊び方
- 扉を選ぶ: 3枚、5枚、7枚のいずれかのモードを選び、当たりの「車(🚗)」が入っていると思う扉を1つクリックします。
- 司会者のヒント: あなたが選んだ後、正解を知っている司会者が、残りの扉の中から「ハズレ(🐐)」の扉を開けてくれます。
- 究極の選択: 最後に残ったのは、あなたが選んだ扉と、もう一つの扉の2枚だけです。
- そのまま変えない(Stay)
- 別の扉に変える(Switch) どっちが当たる確率が高いと思いますか?
🛡️ イカサマ防止モードについて
「プログラムが裏で当たりを動かしているんじゃないの?」と疑う方のために、イカサマ防止モードを搭載しました。
- チェックを入れると、開始前に 0.5秒間だけ 中身が公開されます。
- プレイヤーは目を閉じ、友達やカメラに中身を確認してもらってください。
- 扉が閉まった後は当たりが動かないことを、あなた自身の目で(あるいは友達の目で)証明できます。
📊 1000回シミュレーションで見る「正解」
自分で遊んだ後は、ページ下部の「シミュレーションを実行」ボタンを押してみてください。 「変えない派」と「変える派」がそれぞれ1000回勝負した結果を、一瞬でグラフ化します。
モンティ・ホール問題
ドアを変えると、確率は本当に上がるのか?
📊 3枚での1000回シミュレーション
数学的な答えは?
扉が3枚の時、変えた場合の当選確率は $\frac23$。変えない場合の $\frac13$ に比べて、なんと2倍も当たりやすくなります。
扉が7枚ならどうでしょうか?
- 最初に当てる確率はわずか $\frac17$ です。
- でも、司会者がハズレを5枚も消してくれるので、扉を変えた場合の当選確率は $\frac67$ にまで跳ね上がります!
💡 数学的な証明:条件付き確率の定義で解く
なぜ「変える」と確率が上がるのか、高校数学で習う**「条件付き確率の定義」**だけを使って計算してみましょう。
1. 使う公式
事象 $B$ が起こったときの事象 $A$ の起こる確率は、次の式で定義されます。$$P_{B}(A) = \frac{P(A \cap B)}{P(B)} \quad \cdots \text{(定義式)}$$
また、積事象の確率は次の乗法定理で求められます。$$P(A \cap B) = P(A) \cdot P_{A}(B)$$
2. 設定と「これから求めたい式」
まず、以下の事象を定義します。
- $C_i$ :当たり(車)が扉 $i$ にある事象
- $S_1$ :プレイヤーが 扉1 を選ぶ事象
- $M_3$ :司会者が 扉3 を開ける事象
あなたが 扉1を選び ($S_1$)、司会者が扉3を開けた ($M_3$) という「情報」が分かったとき、私たちが計算で求めたいのは、以下の2つの確率です。
① 扉を変えない場合(扉1が当たりである)の確率$$P_{S_1 \cap M_3}(C_1) = \frac{P(C_1 \cap S_1 \cap M_3)}{P(S_1 \cap M_3)}$$
② 扉を変える場合(扉2が当たりである)の確率$$P_{S_1 \cap M_3}(C_2) = \frac{P(C_2 \cap S_1 \cap M_3)}{P(S_1 \cap M_3)}$$
3. 分母 $P(S_1 \cap M_3)$ を求める
定義式の分母となる「プレイヤーが扉1を選び、かつ司会者が扉3を開ける」という事象全体の確率を求めます。これには3つのケースがあります。
- 扉1が当たりの場合 ($C_1 \cap S_1 \cap M_3$): $P(C_1 \cap S_1) \times P_{C_1 \cap S_1}(M_3) = \frac{1}{9} \times \frac{1}{2} = \frac{1}{18}$
- 扉2が当たりの場合 ($C_2 \cap S_1 \cap M_3$): $P(C_2 \cap S_1) \times P_{C_2 \cap S_1}(M_3) = \frac{1}{9} \times 1 = \frac{1}{9}$
- 扉3が当たりの場合 ($C_3 \cap S_1 \cap M_3$): $P(C_3 \cap S_1) \times P_{C_3 \cap S_1}(M_3) = \frac{1}{9} \times 0 = 0$
(※ $P(C_i \cap S_1) = \frac{1}{3} \times \frac{1}{3} = \frac{1}{9}$ としています)
これらを合計すると、分母の確率は:$$P(S_1 \cap M_3) = \frac{1}{18} + \frac{1}{9} + 0 = \frac{3}{18} = \frac{1}{6}$$
4. 条件付き確率の最終計算
分母が出そろったので、定義式に基づいた最終的な答えを出します。
● 扉を変えない場合(扉1が当たりである確率)
「扉1が当たり」かつ「状況が $S_1 \cap M_3$ である」確率は、先ほどのケース1の $\frac{1}{18}$ です。$$P_{S_1 \cap M_3}(C_1) = \frac{\frac{1}{18}}{\frac{1}{6}} = \frac{1}{3}$$
● 扉を変える場合(扉2が当たりである確率)
「扉2が当たり」かつ「状況が $S_1 \cap M_3$ である」確率は、先ほどのケース2の $\frac{1}{9}$ です。$$P_{S_1 \cap M_3}(C_2) = \frac{\frac{1}{9}}{\frac{1}{6}} = \frac{2}{3}$$
結論
条件付き確率の定義に従って計算すると、扉を変えない場合は $\frac13$、変える場合は $\frac23$ となります。
司会者が「ハズレの扉を狙って開ける」という行動によって、あなたが選ばなかった残りの扉(扉2)に、もともと扉2と扉3が持っていた「当たりの可能性」がすべて集約された、と考えることができます。
この「直感と理論のズレ」こそが、確率論の最も面白いところです。ぜひ、家族や友達にも試して驚かせてあげてくださいね。
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